当クリニックでは義歯(総入れ歯/部分入れ歯)をお使いの患者さまが多数来院されています。一昔前は「入れ歯」=「ご老人」のイメージが色濃くありました。特に「部分入れ歯」は老若男女問わずたくさんの患者さまが使用されています。義歯へのイメージは人それぞれだと、日々の患者さまとの会話で感じます。
義歯を入れる目的はなんでしょうか?
①審美的な回復
②発音の回復
③咀嚼の回復
④残存歯の健康を守る
他にもありますが、以上が主な目的です。
どれも大切な目的ですが、以外と知られていないのが④番目の「残存歯の健康を守る」ことです。
基本的に永久歯は(親知らずを除いて)上下それぞれ28本の歯があります。シビアに申しますと、1本でも欠損したまま放置しておくと・・・ 隣の歯や相手(対合歯)が移動して、歯並びのバランスが崩れてしまいます。確かに、すぐに歯が移動するわけではありませんが、気づいた時には大変な状態になっていることもあります。
ブリッジや被せ物で治療が不可能と診断され、治療の方法が「部分入れ歯」と診断された場合・・・ 特に若い患者さまや、義歯に不安やあまり良くないイメージを持たれている患者さまには「残存歯の健康を守る装置」だと思っていただくと少しは気持ちが楽になると思います。
義歯は患者さまの・・・ 「残存歯や欠損の状態」、「顎提の状態(顎の形や骨の隆起の有無)」、「噛み合わせの状態」、「おう吐反応の強弱」などを観察したうえで設計を決めます。
また、今お使いの義歯の状態などを、患者さまに聞くことも大事な治療の一部だと考えています。義歯の形や設計は患者さまの口腔内の状況で色々なパターンがあります。
健康保険適用の義歯も残存歯や顎提の様子などで、患者さまによって色々な設計があります。保険の義歯は使い心地や強度に限界があるのでは? とお考えの患者さまもおられると思います。確かに、使用できる材料や設計に決まりや制約はあります。当クリニックでは、できるだけ患者さまに快適に使用していただける義歯作成を心がけています。
しかしながら「もっと違和感が少ない義歯を・・・」「バネ(留め金)が見えない義歯を・・・」など、健康保険の治療では作成が不可能な場合があります。これらの要望をお持ちの患者さまはお気軽にご相談ください。
自費の義歯をご要望された場合
健康保険適用の義歯を同じく、残存歯や顎提の様子などで、患者さまによって色々な設計があります。自費治療の義歯は、義歯の料金も高額になります。従って、できるだけ残存歯に負担が少なく、長く快適にご使用いただける設計を心掛けています。
*当クリニックでは強引なおすすめは一切行いません。自費作成の義歯は設計で料金も色々です。興味がある患者さま、説明のみのご希望にも応じています。お気軽にお尋ねください。
そして、義歯作成には煩雑で難しい作業がたくさんあります。ひとつひとつの行程でエラーや間違いはないか確認を大事にしています。
当クリニックで義歯をお作りした患者さまとは、長いお付き合いがはじまります。毎日同じようにご使用していても義歯が壊れてしまったり、人工の歯がとれてしまったり、粘膜に痛みが出たり、快適にご使用しにくくなる場合があります。特に「義歯の痛み」は辛いものです。患者さまが安静にして様子を見られても回復しない場合は、早めに予約来院をお願いします。